COLUMN「吹き抜けのある家」

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2021-07-01

家づくり中のみなさま、こんにちは。デザインリゾートの松崎です。

吹き抜けのある家について

吹き抜けとは、2階建て以上の建物で上部の階に

床を設けずに、上下連続させた高さのある空間の

ことです。

 

吹き抜けのある家を計画されている方のために、

実際に吹き抜けのある家に10年住んでみて感じた

メリット・デメリットをお話しいたします。

 

実際に住んでみた感想『メリット』

1.開放的

 私の家はリビングの上部を6畳程の大きさで

 吹き抜けとしておりますが、最大のメリットは

 何といっても開放感ですね!!

 

2.おしゃれ

 吹き抜けがあるだけで単純に家が

 おしゃれになります!

 

3.部屋が明るく、風通しがよい

 吹き抜けの高い位置に窓を取ることで、採光を

 取り入れて、室内を明るくみせることが出来ますし

 自然換気で風通しを良くできました。

  ■快適な自然換気については、こちらから>>>

 

4.どこにいても家族の気配を感じることができる

 上下に連続した空間で、空間全体につながりを持た

 せることがきで、さりげなく家族の気配を感じる

 ことが出来ます。

 私の家は吹き抜け部分に2階廊下を設けておりますが

 そこからの眺めもよく開放的で、毎日快適に過ごせ

 ています。

 

5.シーリングファンとの相性が良い

 吹き抜け天井にシーリングファンを設けることで

 室内の空気の循環ができるので、室温調整に役立ち

 また、インテリアとしてもアクセントとなり相性が良いです。

 私の妻は、「シーリングファンの近くは風が当たって

 洗濯物がよく乾くから…」と2階廊下でよく洗濯物を

 干しております。

 

6.照明器具でオシャレな演出がしやすい

吹き抜けの天井部分や壁・梁部分などに照明を配置

することで非日常的な空間を演出しやすい。

『注意点』

高さのある部屋なので、どの明るさでどこに器具を

付けるかは重要になります。

 

 

実際に住んでみた感想『デメリット』

 

1.掃除が予想以上に大変!!

 室内にある高い窓とシーリングファンを

 専用ハシゴで掃除しますが、予想以上に大変です!!

 当然外の窓も掃除しますが、定期的にしないと

 クモの巣やホコリなど汚れが目立ちます。

 

『改善方法』

 私の家は開放感を優先するため、保守点検用の通路を

 取りませんでしたが、メンテナンスを優先したい場合は

 通路を設けましょう。

 また猫を飼うかたは、キャットウォークと併用しても

 よいと思います。

 

2.プライベートな時間を持ちにくい

 上下連続させた空間のため、当然音も筒抜けとなります。

 1階リビングでの話し声やテレビの音が2階にも

 響き渡り2階で静かに過ごすことが出来ない場合があります。

 生活リズムがすれ違う世帯では特に注意が必要です。

 

3. ニオイが伝わりやすい

 1階ダイニングで鍋や焼き物をすると、そのニオイがすぐに

 2階に上ってきます。

 吹き抜け周辺で洗濯物を干していると当然のように

 ニオイがついてしまいます。

 

4.気密性と断熱性が低いと、光熱費が高くなる

 私の家は高気密・高断熱で施工しているので

 吹き抜けを設ける事で、リビングのエアコン一台で

 家中が快適な温度になっていますが、

 気密性と断熱性が低い住宅の場合は、冬場暖かい空気が

 上の方へ逃げて1階部分が寒くなり光熱費が高くなるので

 注意が必要です。

  ■気密の必要性については、こちらから>>>

 

5.構造的な弱さ

 床面は人や物の鉛直荷重を支えるだけではなく、

 地震力や台風力などの水平力が加わった時に

 その床面を伝って下階の耐力壁から基礎へ力を流す

 役割を果たしています。

 吹き抜けや階段等で床面に開口を設ける場合は

 その開口部に補強梁を配置して、床の釘ピッチを狭く

 本数を増やして強度を持たせる補強方法がありますので

 構造計算で安全を確かめて補強することで

 構造的な弱さは解消できます。

   ■構造計算で安全を確かめる方法は、こちらから>>>

 

まとめ

いかがでしたか。

これから吹き抜けを計画される方に参考にして頂けたらと思い

実際に10年間生活した感想を書かせて頂きました。

 

吹き抜けは開放的な空間で明るく、風通しの良いオシャレな

室内を演出できますが、掃除などのメンテナンス用に保守点検

の通路を設けるかどうか?

音やニオイが筒抜けになるので家族の生活スタイルを考えて、

吹き抜けを設けても快適に過ごせるかどうか?

色々とシュミレーションしてから採用されてはいかがでしょうか。

 

また採用される場合には、気密や断熱にこだわって快適な

温度で生活出来るように計画し、構造的な弱さは

構造計算で安全を確かめて進めることをお勧めします。

 

その他、気になることがありましたら

遠慮なくお問い合わせください。

  ■お問い合わせはこちらから>>>

 

それではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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