COLUMN「偏心率って何」建物構造編

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2020-01-21

家づくり中のみなさま、こんにちは。デザインリゾートの松崎です。

 

建物構造「偏心率」について

あまり聞き覚えがないと思いますが、建物構造の平面的な

バランスを計る指標となる

「偏心率・へんしんりつ」の意味を説明をさせて頂きます。

 

建物の重さの中心を「重心」と呼びますが、建物の壁の配置による

剛さ(つよさ、かたさ)の中心を「剛心」と呼びます。

地震の際に発生する力は、建物の質量の中心である「重心」に

最も大きく加わりますが、一方で、建物の構造上最も剛性が強い

「剛心」には揺れ、振動の負荷がかかります。

水平方向に揺れたり、剛性を中心として回転するような動きを加え、

建物をねじれさせようとします。

このことから建物を設計する際には、「重心」と「剛心」を近く

なる様に耐力壁をバランスよく配置します。

建物の重心と剛心が一致している場合は偏心率は「0」となり、

重心と剛心が離れるほど偏心率が高くなり、ねじれが大きくなります。

一般の木造住宅においては「偏心率は0.3以下であること」と

規定されていますが、出来れば耐震性を向上させるためにも

偏心率は0.15以下にするように設計しましょう。

 

偏心率で広がる設計方法

一般的に大きなサッシ(開口部)が多い壁は、剛心が遠くなり

耐力壁のバランスが悪くなるため、必要以上に耐力壁を設けて

剛心を重心に近づけようと「引っ張ってあげる」設計をする方も

おられますが、設計の自由度が広がりません。

そこで発想の転換をし、耐力壁をなくして剛心を「押し戻す」

方法も有効になる場合があります。

 

特に開口の狭い長屋のような建物でも、この方法で

偏心率を低くすることも可能ですので、覚えておくと便利ですね。

 

またその他構造のことも少しずつアップしていこうとおもいます。

気になることがございましたら、何なりとお尋ねください。

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それではまた。

 

 

 

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