COLUMN「屋根断熱・天井断熱」

HOME > 建築BLOG > 「屋根断熱・天井断熱」
2020-01-20

家づくり中のみなさま、こんにちは。デザインリゾートの松崎です。

 

屋根断熱と天井断熱の話

まず屋根断熱と天井断熱の違いを下の図を見てください。

天井断熱とは木造住宅で一般的に使われる工法で

外気に面した天井の上に断熱材を入れる方法です。

屋根断熱とは屋根のすぐ下で断熱材を入れる工法です。

天井断熱については、こちらから>>>

 

どちらが良いかと言いますと

どちらも一長一短あります。

「天井断熱」の場合は、天井より上側が外部になるので

「屋根断熱」より単純に家の中の体積が少ないので、

冷暖房の効率が高いというメリットがあります。

 

一方「屋根断熱」の場合は、小屋裏空間が室内と同じ

環境になりますので、小屋裏の未利用空間を部屋と

して利用しやすくなりますよね。

ロフトを取ったり、勾配天井にしたりとデザイン的に

変化をつけることも可能となります。

実際の施工現場では屋根勾配に沿って断熱材を入れるため

施工性が悪くなったりする事もあります。

 

どちらが良いか、悪いかはそれぞれ特徴がありますので

小屋裏空間を利用するかしないかで選択しても大丈夫かと

思います。

 

施工上の注意事項

ただし「屋根断熱」の場合に施工上注意しないと大事故に

なることがありますので、弊社の施工事例とあわせて

紹介させて頂きます。

上記の写真は野地板を張る前に、たるきの間に遮熱

パネルと言う高遮熱と通気層のダブル機能があるパネルを

全面に入れている状態です。

 

高遮熱は夏の暑い日射の侵入熱量を40%カットするもので

通気層は断熱材の外側に空気を流す層のことです。

『補足』日射とは太陽光による熱作用のことです。

先ほどの大事故になる原因とは、この通気を取らない施工方法

です。

 

「屋根通気」の役割は、断熱材の外側に空気を流して湿気を

排出することで、構造躯体や断熱材を守ることです。

断熱層を密閉してしまうと、逃げ場のない湿気は断熱材に溜り

断熱性能を低下させます。

断熱材については、こちらから>>>

それ以上に、野地板やたるきといった周囲の木部の含水率が

上がり、構造躯体の劣化が急激に進む原因になり得ることが

問題なのです。

 

実際築10年未満の短期間で野地板が結露で腐朽している

施工事例を建築の講習会で拝見したことがあります。

上記の写真のように、通気層を確保した後に野地板を施工し

室内側から断熱材を充填して、気密層の確保という

流れが正しい施工方法です。

当然ですが、軒先や棟部分で通気ルートを確保することが

大前提です。

上記の写真は室内側から見た断熱材を入れる前の状態です。

断熱の色々と気になることがございましたら、

何なりとお尋ねくださいね。

お問い合わせはこちらから>>>

 

それではまた。

CONTACT

tel.087-813-7207
受付時間 9:00~18:00